看護

看護師が教える!正しいバイタルチェックの基礎知識

高齢者介護での基本中の基本である、バイタルチェックについてお話します。

 

ひよこちゃん
ひよこちゃん
基本中の基本!?

なんとなく~ならわかるけど(汗)

 

にわとり
にわとり
毎日測るモノ!とはわかっているけど、どんな所に注意すればいいのか?が、はっきり分からないのかな?

 

ひよこちゃん
ひよこちゃん
・・・はい。なんか、「そんなことも知らないの?」と思われそうで、聞きにくくて。

 

にわとり
にわとり
大丈夫。そんな君の為に、看護師直々にバイタルチェックの注意ポイントなどを聞いてきたよ!
ここで学べる事
  1. バイタルチェックの基本の4つ
  2. バイタルチェックで発見できる病気

 

バイタルサインとは?

バイタルサインとは、日本語に直訳すると「生きている」「しるし・兆候」という意味になります。

体温、脈拍、血圧、呼吸、これらを総称してバイタルサイン(生命のサイン)と言い、機器等を使って計測することを一般的にバイタルチェックと呼びます。

バイタルチェックの基本4項目

「体温」「血圧」「脈拍」「呼吸」が基本の4項目になります。

65歳以上の高齢者の方の、各バイタルサイン正常値を解説します。

体温  一般的な平熱36℃~37℃

(体温計を使用します。)

血圧  最高血圧120~150、最低血圧70~90

脈拍  安静時60~90/分

(血圧計を使用します。)

呼吸  12~28回/分

数値の変化に気を配ることも大切ですが、高齢者の方の表情や行動の変化といったフィジカルサインも見落とさないようにしましょう。

 

ひよこちゃん
ひよこちゃん
フィジカルサイン??

 

にわとり
にわとり
簡単に言うと、顔色が悪そう。とか、元気が無さそう。 とかいつもより何か変だな?と感じることです。

 

具体的な体調不良を訴えられない場合でも、何かしらのサインが出ています。

気落ちしている高齢者の方のそばに寄り添い、会話をする中で、その手に触れてみたら実は発熱していたということもあります。

そういった目に見える変化異変を感じたら、まず本人に痛みや苦しみはないかと尋ね、次に電子機器で客観的数字を出します。

その上で異常が認められるようであれば、ただちに他職員や医療従事者と連携を取ります。

 

バイタルサインの異常から見える病気とは?

体温異常

高齢者の方は、体温が低くなりがちです。

 

人はかぜやインフルエンザなどの感染症にかかると高い熱が出ます。

しかし、高齢者の方は、病状が悪くてもそれほど体温が高くならないケースがよくみられます。

高齢の発熱患者では、気づいた時にはすでに肺炎にかかっているなど、重い感染症になっていることも多いです。

 

血圧異常

高血圧

年をとると、収縮期血圧(上の血圧)は高くなり、拡張期血圧(下の血圧)はあまり上がらないという特徴があります。

 

にわとり
にわとり
血圧計では、上と下の血圧と脈拍が図れます。

 

上と下の血圧の差が大きくなるのは、動脈硬化などにより血管の壁が固くなっていくからです。

高血圧はさまざまな病気を起こしやすくなります。

 

高血圧によって起こる臓器障害や合併症には次のようなものがあります。

脳では、脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)

脳内や周辺の血管が詰まったり、破れたりする。

心臓では、狭心症、心筋梗塞、心肥大、心不全

心臓内や周辺の血管が詰まったり、破れたりする。

腎臓では、蛋白尿や慢性腎臓病(CKD)、腎不全

体内に尿毒素や余分な水分が溜まってしまう。

その他では、大動脈瘤、末梢動脈疾患(閉塞性動脈硬化症)など

血管にこぶができたり、細くなったり、詰まったりして充分な血流が保てなくなってしまう。

 

 

低血圧

低血圧症には、血圧が慢性的に低い「本能性(一次性)低血圧症」と原因が明らかな「症候性(二次性)低血圧症」があります。

他にも、起立性低血圧、食後低血圧があります。

本能性(一時性)低血圧症とは

低血圧の9割は、本能性(一時性)低血圧症と言われています。特別な原因がある訳ではなく慢性的に血圧が低い状態(一般に上が100以下、下が60以下)体質的な部分が多いです。

 

症候性(二次性)低血圧症とは

ケガによる大出血や心臓病、胃腸系の病気による栄養失調、ホルモンの分泌異常、ガン末期などの症状により血圧の低下が起こること。

 

起立性低血圧とは

急な立ち上がりや身体を動かした時に、下半身に溜まった血液が心臓に戻りにくくなる為、立ちくらみを起こすなど、急激に血圧が下がる状態を言います。

 

食後低血圧とは

食後、食べ物の消化を助けるために血液が集まり、心臓に血液が戻りにくくなってしまう状態。高齢者の方の3人に1人の割合で起こりやすく、特に寝たきりの高齢者の方が食事の為に身体を起こした時によく見られます。

 

脈拍異常(不整脈)

一口に「不整脈」といっても、脈が速くなるタイプの頻脈性不整脈遅くなるタイプの徐脈性不整脈があります。

中には、めまいや息切れなどの症状が強く、日常生活に支障をきたすもの、また、突然死や心不全の原因となる恐ろしい不整脈もあります。

そんな脈拍異常(不整脈)によって疑われ・起こる病気は次のようなものがあります。

心房細動(しんぼうさいどう)

加齢とともに増える不整脈です。日本では70歳以上2%80歳以上3%に見られます。

なんと、欧米では80歳以上の10%が心房細動との報告もあるそうです。

心臓はふだん、電気信号によって、規則正しく収縮を繰り返しています。

 

心房細動は、この電気信号が何らかの原因で乱れ、心房の壁が細かく震えた状態(細動)になります。

心房細動で、脈が速い状態(頻脈)が続いていると心室のポンプ機能が低下し最悪の場合、心不全になってしまいます。

 

心原性脳梗塞(しんげんせいのうこうそく)

心房が痙攣状態になると、血液の流れが悪くなり停滞してしまいます。

そうなると、心房内に血液の塊(血栓)ができやすくなります。

 

血栓は心房の壁からはずれ、血流に乗って動脈内を運ばれます。

そして、脳の血管で詰まると、心原性脳梗塞を発症します。

 

呼吸異常

呼吸とは、必要な酸素を体内にとり込み、不要な二酸化炭素を体外へ放出する働きです。

呼吸異常の場合、呼吸器の病気を疑います。

気管や気管支・肺・肺に起こるおもな病気には、次のようなものがあります。

気管・気管支では
  • 慢性気管支炎

気管支の粘膜に慢性の炎症が起こっているものをいいます。原因不明の咳や痰が一定期間(少なくとも3ヵ月)続き、その状態が2年以上続く場合は、慢性気管支炎と診断されます。

  • 気管支拡張症

気管支が広がってもとに戻らなくなる病気で、気管支の広がった部分には分泌物がたまりやすく、細菌の温床となるため、感染をくり返します。

  • 気管支喘息

気管支がアレルギーなどでの炎症によって過敏になる病気で、何らかの刺激で気道が狭くなり、喘鳴(ぜんめい)や咳などが出て呼吸が苦しくなる発作をくり返します。

 

肺では
  • 肺炎

細菌やウイルスなどに感染し、肺が炎症を起こす病気。かぜやインフルエンザなどがこじれて起こる場合や、高齢者などでは食べ物や飲み物が誤って気道に入ったり、胃の内容物が逆流したりして起こる場合もあります。

  • 肺結核

結核菌に感染し、肺が炎症を起こす病気。結核菌は空気感染あるいは飛沫感染するため、結核菌が漂う空気を吸い込むことでも感染します。

にわとり
にわとり
空気感染とは、呼吸により息を吸うことで感染すること。

飛沫感染とは、人との会話などで飛んでくる微量な唾液などを吸い込むことで感染すること。

  • 肺気腫

肺胞の弾力性が低下した状態をいい、空気の交換が十分に行われなくなるため、息切れや呼吸困難が起こるようになります。

 

肺を保護する「胸膜」では
  • 胸膜炎

胸膜に炎症が起こる病気をいいます。多くが胸膜にある血管から水分などがもれ出して、胸水がたまります。炎症を起こす原因としては細菌感染などで、細菌感染は多くが肺炎に続いて起こります。

  • 気胸

胸膜に穴が開き、肺のなかの空気が胸膜腔にもれてたまった状態をいいます。胸膜腔に空気が入って内圧が高まると、肺は収縮して換気量が減り息切れ呼吸困難などが起こります。

 

看護師が教える!正しいバイタルチェックの基礎知識まとめ

バイタルサインのチェックで一番大事なことは毎日計測することにあります。

普段の高齢者の方の状態を計測することで、病気の前兆に気づく確立が上がります。

早期に病気の前兆が分かれば、安静にして様子を見て、必要があれば医師への受診や薬の処方をしてもらうなど迅速な対処を行うことができます。

このようにバイタルは高齢者の方が安全に生活する為に重要なサインなのです。