介護

誰でもできる!高齢者の方とその家族から信頼を勝ち取る方法

イメージしてみて下さい。

貴方はデイサービスの責任者です。

 

ある日、高齢者のIさんが初めてデイサービス来られました。しかも、Iさんだけでなくご家族の方も一緒に来られました。

Iさんとご家族の方に挨拶をし、デイサービスの利用が始まりました。

初日であるため、環境の変化やIさんの体調などが気になるのは仕方がないだろう」と、ご家族の方も一緒にその場におられることを承認していましたが、

「初めてなので環境も変わって主人が疲れていると思うので帰らせて頂きます」と言われ帰宅された。

次の日、Iさんと共に奥様も一緒に来られ、当然のごとくIさんと共にデイサービスに参加されていました。

 

貴方は「他の利用者の方の中には、ご家族と疎遠になられた方。ご家族が遠方に住んでいる為、なかなかご家族と会えない日々を送っておられる方もいらっしゃいますので、デイサービスご利用中の間だけはご家族様はご自宅でお待ちいただけますか?」と伝える。

奥様は「わかりました。」と言い、帰られる。

 

夕方、Iさんの長男夫婦から苦情の電話がかかって来た。

「母がデイサービスで、帰れ!!と言われたのですがどういうことですか?」という内容。

 

貴方は、Iさんの奥さんに話をした内容を伝え、状況の説明を行い、謝罪します。

次の日に「自分の意図が奥様に伝わらず、不快な思いをさせてしまった」という想いから奥様に直接謝罪をした。

しかし、奥様の怒りは収まらず「こんなところ来なければよかった。嫁が勝手に決めて私は反対だったのよ。」

「こんな地獄みたいなところ~~!」と罵倒し帰られました。

数日後、担当ケアマネージャーから苦情の電話がかかって来ました。

遠方に住んでいる娘から「母から聞いたのですが、あそこのデイサービスにいると虐待される可能性がありますので、別のところを探して欲しい。」という苦情の電話がかかって来ました。という内容です。

Iさんのご家族様は、貴方のデイサービスに非常に大きな不安や失望を持っておられます。

少し長かったですが、イメージできたでしょうか?

 

結論から言ってしまうと、高齢者の方と家族の信頼を勝ち取ることは非常に難しいです。

ぼたんの掛け違いの様に、何をしても相いれない事があります。

では、何故そのようなことが起こるのでしょうか?

 

先の実例をもとに、どこに問題があったのか?正しい対応は何なのか?今後どのようにすればよいのか?を考えていきたいと思います。

ご家族対応の中で起こった問題とは?

では、先の実例の中でどこに問題があったのでしょうか?3つのポイントから見ていきましょう。

  1. 「虐待される可能性がある」と家族の方が言われている。
  2. 奥さんに一度謝罪をしたのに、怒りが収まっていない。
  3. ご家族の方とのファーストコンタクト時の対応。

「虐待される可能性がある」と家族の方が言われている。

昨今、TVのニュースや新聞。インターネットなどで介護士の虐待問題などが大きく取り上げられています。

ニュースで取り上げられる介護士の虐待問題などは、意識レベルの低い一部の少数介護士が起こした事件です。

大部分の介護士は、常識を持って介護にあたっています。しかし、そういった問題を見て、介護偏見を持ってしまう方もおられます。

介護という仕事の内情を知らない方にとってTVや新聞・インターネットでの情報が全てだからです。

 

どれだけ、熱意や情熱をかたむけて介護の仕事にあたっても誤ったイメージしか持ってもらえないことがあります。

悔しいところではありますが、事実TVや新聞・インターネットではその様な事件が取り上げられています。介護士に対して誤ったイメージを持っても仕方がないと割り切る必要があるのかもしれません。

奥さんに一度謝罪をしたのに、怒りが収まっていない。

一度、苦情の電話がかかってきて「自分の対応に落ち度があったかもしれない」と思い、直接Iさんの奥様に謝罪を行っているにもかかわらず、奥様の怒りが収まっていないのは何故でしょう?

自分の対応に落ち度があり、謝罪の気持ちを告げる時に「横柄で、乱暴な言葉使い」をするでしょうか?

謝罪の気持ちを告げる時は、誰でも「謙虚に、物腰柔らかな言葉を使う」でしょう。

それにもかかわらず、怒りが収まらない。むしろ怒りが増幅しているということは、別なところに原因があるのかもしれない」と考えなければいけません。

ご家族の方とのファーストコンタクト時の対応

Iさんが初めてデイサービスにご家族の方と来られた時の対応はどうだったでしょう?

挨拶・言葉のトーン・表情・立ち居振る舞いなど、ご家族の方に好印象を与えることができたでしょうか?

挨拶の声が小さく、声のトーンも低い。表情も暗くてイライラしている。髪の毛もぼさぼさで無精ひげが生えている介護士」「挨拶の声が大きく、声のトーンも少し高く。表情も明るく穏やかで清潔感のある介護士」とどちらに好印象をもちますか?

当然、後者だと思います。

「人は、第一印象で他人をイメージつけします。」第一印象がダメと判断された場合、その印象を覆すことは難しくなります。

3つのポイントから見えてくるもの

この3つのポイントから問題を考えたとき、見えてくるものがあります。

 

家族の方はサービスを利用するまでに多くの情報を集めています。

TVや新聞・インターネットはもちろん他者の口コミといった声も参考にしています。

 

  1. 先入観を持った家族の方が多くいるということ。
  2. 苦情が来た時点で問題の対処にあたっても解決できないこともあるということ。
  3. ご家族は介護士の第一印象で好き嫌いのイメージを持つということ。

 

家族の信頼を勝ち取る適切な対応とは?

3つのポイントから見えてきたものは、家族との信頼関係は介護士が意識的に勝ち取りに行かなければならないということです。

 

極端な言い方をすると、

「大切な家族が高齢の為、致し方なくイメージの悪い介護士に預けなければならない。」と思っているご家族に対し、何もアプローチしないままでは、いつまでたっても信頼関係を築くことができないし、先入観をぬぐうことも出来ません。

介護士の方からご家族の信頼を得るために働きかけをしなければいけません。

第一印象を磨こう

家族の信頼を勝ち取るために、重要なのが第一印象です。

ポイント3でもお話ししましたが、「暗くて、陰気で清潔感のない介護士」と「明るく、元気な清潔感がある介護士」どちらが、いい印象を与えるでしょう?

人は見かけなどの「第一印象」で他人を判断します。

ご家族が第一印象で判断するのであるならば、介護士は第一印象を磨くことに努めましょう。

髪型や服装。靴の履き方。男性であれば髭の有無。女性であれば化粧の有無などで、印象はがらりと変わります。

「明るく、元気な清潔感がある介護士」

髪型・服装・靴の履き方・髭の有無・化粧の有無・言葉使い・挨拶

 

家族の不安を知ろう

第一印象を磨くとはどうすればいいのか?と悩まれる方。いきなり誰にでも好印象を与えることなんてできない!と思われる方もいるでしょう。

そんな時は、ご家族の抱えている不安を想像してみましょう。

 

  • 「初めての場所で疲れてしまわないか?」
  • 「つい、この間まで元気にしていたのに何でこんなことに!」
  • 「主人が苦しそうにしている気がするのだけど。」

と言う様に、「もしかしたら、こんな不安を抱えているかもしれない!?」と想像することで、介護士自身の心が落ち着き、ご家族に真剣に向き合おうという姿勢が沸き起こります。

家族に過度な期待をしない

「家族なのだからして当たり前だろう」とか「介護士の苦労を知らないくせに」などといった考えを持ってしまうことがあります。

家族に協力を求めたり、理解を求めたりというご家族への期待を持っているから考えてしまいます。

介護士はご家族にいろいろな要望をしてしまう時があります。

それは、高齢者の方のことを想っての要望ではあるのですが、その要望を絶対に守ってくださいという気持ちが強すぎるとご家族の方に不信感を与えてしまいます。

過度に求めすぎないというバランスが大切です。

にわとり
にわとり
第一印象を良くし、家族の不安を想像し、家族に期待しすぎないこと!

信頼関係が崩れたご家族とどのように関わればよいか?

一度信頼関係が崩れてしまったご家族と信頼関係を築くことは不可能に近いです。

出来ないことはありませんが、長い年月をかけ、誠意をもって対応していけば少しずつ信頼関係は回復します。

しかし現実は、信頼関係を再構築する前に高齢者の方がサービスを止めてしまうことがほとんどです。

 

では、信頼関係の崩れたご家族とはどのように関わっていけばよいのでしょうか?

サービス担当者会議など、ご家族と顔を合わせる時に誠意を持って謝罪する。

ご家族・ケアマネージャーがいる場所で、「介護士の言動でご家族に不快な思いをさせてしまったこと。」をきちんと謝罪し、その問題に一度けりをつける必要があります。

ご家族の方が納得し、謝罪を受け入れてくれればいいですが、そうならないこともあります。

ですが、その場では最後まで謝罪の心を持ちましょう。

ひよこちゃん
ひよこちゃん
本当に、申し訳ありません。。。

ご家族との距離を図る

信頼関係が持てない介護士とは、話をすること自体嫌がられるご家族もおられます。

ですので、必要最低限のこと以外は直接的な関わりを控えるようにしましょう。

ご家族とどうしても密に関わらなければならないことが起こった場合は、必ず担当のケアマネージャーに話を通し、ご家族とのかかわり方を相談するようにしましょう。

ひよこちゃん
ひよこちゃん
ケアマネージャーに相談だ!

サービスを利用している高齢者の方への支援(サポート)に注意を払う

サービスを利用されている高齢者の方全員の支援(サポート)は公平性を持たなければいけませんが、特に注意しなければいけないのが、事故です。

ご家族と信頼関係が持てていない状態で、サービスを利用している高齢者の方が怪我を負う様な事故があると、最悪の場合、裁判沙汰になる可能性があります。

高齢者の方への支援(サポート)は公平性をもちながら、この方は絶対に事故を起こさない様にする。という介護士全員の意識が必要になってきます。

ひよこちゃん
ひよこちゃん
事故には、細心の注意を払おう!!

誰でもできる!高齢者の方とその家族から信頼を勝ち取る方法まとめ

高齢者の方を支援(サポート)する中で、ご家族の方との関係性は非常に重要になってきます。

介護士は、ご家族の方に信頼してもらう為に第一印象を磨き」「家族の立場に立ち」「過度な期待を持たないことが必要になります。

介護士が「第一印象を磨くこと」ができれば、ご家族との間に起こる問題の80%は防ぐことができます。

 

第一印象を磨き、高齢者の方とご家族の信頼を勝ち取れる介護士になりましょう。