看護

看護師が教える。正しい服薬管理の基礎知識

薬とは、医師の処方に基づき、病気や傷の治療のため、あるいは健康の保持・増進に効能があるものとして、飲んだり、塗ったりするものです。

さまざまな病気を持ちながらも日々健康的な生活を送り、心身機能の維持や向上の為になくてはならないモノなのです。

 

ひよこちゃん
ひよこちゃん
風邪をひいた時や頭が痛い時なんかに、薬飲むよ~

 

しかし、体力や免疫力が低下している高齢者の方にとって、誤薬薬の副作用命を危険にさらしてしまう可能性があるので取り扱いには細心の注意が必要になります。

 

ひよこちゃん
ひよこちゃん
え~!!命の危険(怖)

 

薬とは、「薬を飲むことで得られる効果」「薬を飲む必要性」「薬を取り扱う危険性」3つの理解が必要です。

 

にわとり
にわとり
1.効果 2.必要性 3.危険性 とても大切だよ!

 

しかし、高齢者の方にとって3つを理解することが難しい問題になっています。

その理由として、膨大な数の薬の管理が必要なこと。さまざまな家庭環境や本人の精神状態の事情により3つの理解が困難になる高齢者の方が大半です。

高齢者の方にとって、服薬に関するトラブルで命を落としてしまうという悲しい事故も起こっています。

そこで、必要になって来るのが「服薬管理」です。

 

「服薬管理」とはどういうことなのか?起こりやすい服薬トラブルと予防法を紹介します。

ここで学べる事

服薬管理とはどんな事なのか?

高齢者の方に起こりやすい服薬トラブルとはどんな事か?

服薬トラブルの予防法・解決法。

服薬管理とは

服薬管理の定義として「薬の在庫の確認・服薬指導・薬の調整をすること」です。

服薬管理という表現を使うと医療行為・医療行為に類似するサービスとなるため、介護士では行うことが出来ません。

 

にわとり
にわとり
医療行為なので、看護師がする仕事なんだ。

 

介護士に出来ることは、薬の準備から声かけ・確認・片付けまでをする「服薬介助になります。

あくまでも、薬の飲み忘れがないかどうか確認する援助に限られます。

 

医師や薬剤師が一包化した薬であれば、飲むのを介助することが可能です。

 

薬をしっかりと、一人一人間違いなく服用してもらう為に、介護士・看護師等が服薬の管理をします。

高齢者の方に起こりやすい服薬トラブル

飲み間違い

薬を飲んでいないと勘違いして、同じ薬を重ねて飲んでしまうことがあります。

見た目が似ている薬などは特に飲み間違いの原因になります。

視力が低下したご高齢者に多いトラブルです。

 

服薬介助を行う介護士が、他の高齢者の方の薬を準備してしまい確認がないまま服薬してしまう間違いもあります。

 

飲み忘れ

薬を飲んだものだと思い込んでしまったり、薬を飲むこと自体を嫌がり飲むことをやめてしまったりすることがあります。

高齢者の方が(特に認知症高齢者の方)、服薬したことを忘れて「薬を飲んでいない!」と主張されることはよくあります。

 

一人暮らしの高齢者の方で何年も薬を飲まず、自宅で多くの薬を隠し持たれていた方もいらっしゃいました。

 

飲み合わせ

1つずつでは問題ないお薬でも、他の薬との飲合わせで危険なモノになる可能性があります。

また、薬と食品(飲み物/嗜好品含む)の食べ合わせによっても、よくない影響が出る組み合わせがあります。

食べ合わせが悪い薬と食べ物例

良くない影響とは
  • 薬の効き目が強くなりすぎる

副作用が出やすくなり、胃腸や肝臓の障害を起こすことがある)

  • 薬の効き目が弱くなる

(薬の効果が抑えられ、病気が治りにくくなる)

 

副作用

病気を治したり軽くしたりする働きを「主作用」といいます。

それに対して、本来の目的以外の働きを「副作用」といいます。

 

高齢者の方で、処方される薬が6つ以上になると、副作用を起こす人が激増するという調査報告があります。

高齢者の方は副作用が起こりやすいだけでなく、重症化しやすいという特徴があります。

 

高齢者の方に起こりやすい副作用で最も多いのが、「ふらつき・転倒」です。

薬を5つ以上飲まれる4割以上の高齢者の方にふらつき症状が起こるという報告があります。

 

また、高齢になると骨がもろくなっていて、ふらつきによる転倒で骨折し、最悪の場合寝たきりになる恐れがあります。

寝たきりが原因で認知症を発症させる高齢者の方は多くおられます。

 

その他の副作用として、うつやせん妄(頭が混乱して興奮したり、ボーっとしたりする症状)、食欲低下、便秘、排尿障害などが起こりやすくなります。

服薬トラブルを予防・解消する為には?

高齢者の方は徐々に認知機能が低下してくるため、医師の指示通り薬を服薬することが難しくなるので、様々な服薬トラブルが起こります。

高齢者の方の服薬トラブルに対する、介護士の知恵や工夫が必要になってきます。

服薬トラブルを防止し、問題解決する方法をご紹介します。

 

複数の薬を一包化する

複数の薬を服用する場合、服用時間(朝・昼・夕・寝る前など)ごとに薬をひとまとめにすることで、飲み忘れや飲み残しを減らすことが出来ます。

高齢者の方は持病が多く、複数の病院に通い、複数の病院で「胃の薬。血液をサラサラにする薬。便秘の薬。等」といった効果の違う薬を大量に処方されます。

病院も違えば、薬局も違う。どの薬をいつ飲めばいいのか分からなくなってきます。

デイサービスへ行くにも、沢山の薬を持って行きます。「あ。。。あの薬を持ってくるのを忘れた。」「かばんの奥に入っていることを忘れた。」という様なことが起こります。

沢山ある薬が一袋に入っていると便利です。

デイサービス利用中、沢山の薬を持ってこられる高齢者の方に一工夫してみましょう。

飲み忘れ工夫例

薬局にて「一包化(いっぽうか)調剤」をお願いする方法

一包化調剤」とは、何種類かの薬を服用1回分ずつ1袋にまとめることで、複数の医療機関から処方せんをもらっている場合でも可能です。

(※一包化調剤は有料です。一包化できない場合もあります。)

 

デイサービス(通所介護)管理者は、高齢者の方の担当ケアマネージャーへ、高齢者の方の服薬管理状況と改善案として報告・相談してみましょう。

 

かかりつけの薬局を作ってもらう

複数の医療機関から処方せんをもらう場合でも、薬はひとつの薬局で受け取ることが出来ます。

ただ、ご家族や高齢者の方本人に手間がかかる場合もあり、一か所の薬局だけにすることを敬遠される方もおられます。

その様な場合は、担当ケアマネージャーや各関係事業者と連携を取りながら、服薬問題解決の為にとご家族や高齢者の方本人に理解してもらえるように働きかける。

 

お薬手帳も一冊にまとめかかりつけ薬剤師薬の効果副作用について確認してもらえる安心感を理解してもらいましょう。

 

服薬専用アイテムの活用

介護士が、他の高齢者の方の薬を準備してしまい確認がないまま服薬してしまう飲み間違い問題役に立つアイテムが空のビンなどです。

食事を配膳する際に、薬を透明の空のビンなどに入れておきます。

こうすることで、介護士の目につきやすい効果があり、ビンの中なので、他の高齢者の方の薬と間違えにくい利点があります。

 

配薬管理カレンダーなどの活用も便利である。

 

正しい服薬管理の基礎知識まとめ

服薬管理に関する、基本的なことをお話ししました。

高齢者の方は体力や免疫力が低下している為、誤薬や薬の副作用によって命を危険にさらしてしまう場合もあるので取り扱いには細心の注意が必要になります。

 

それぐらい、服薬管理には神経を使わなければなりません

 

デイサービス(通所介護)では、服薬トラブルゼロ(0件)が求められます。

正しい服薬管理の知識を身につけましょう。